ゼップバウンド

医療ダイエットとは？

近年、リベルサスやマンジャロなど、本来は2型糖尿病の治療薬として使用されてきた薬剤を、ダイエット目的で使用するケースが増えてきています。さらに、肥満症を対象とした治療薬である「ウゴービ」や「ゼップバウンド」も登場しました。これらの薬剤は、一般的なダイエットサプリメントと比較して、強力な「食欲抑制」「脂質代謝の改善」「体脂肪の減少」効果を持ち、痩身やボディデザインの大きな助けとなります。一方で、適応外使用による健康被害が問題となっているのも事実です。美容目的でこれらの薬剤を使用する場合は、効果や副作用、危険性や注意点を十分に理解することが大切です。ぜひ最後までお読みください。

ダイエットの基本はバランスの取れた食事＋運動

食事制限のみのダイエットでは、筋肉量が減少し基礎代謝も低下するため、太りやすく疲れやすい体になってしまいます。

健康的に痩せるためには、食事を抜かずに1日3食をバランスよく摂り、運動習慣を身につけることが大切です。これにより、リバウンドしにくい体づくりができます。

しかし、実際には食習慣を変えることは簡単ではありません。間食がやめられなかったり、食事量を減らせなかったり、空腹感によるストレスで暴飲暴食に陥ってしまうなど、思うようにいかないことも多くあります。

そこで、空腹感によるストレスを軽減し、無理のない食事コントロールをサポートする方法として、「マンジャロ」や「ゼップバウンド」を用いたダイエットが注目されています。

ゼップバウンドとは

ゼップバウンドは、肥満症治療のために開発された注射タイプの医薬品です。

有効成分は「チルゼパチド（Tirzepatide）」で、糖尿病治療薬「マンジャロ」と同じ成分を使用しています。

ゼップバウンドは、体内のホルモン（GLP-1/GIP）の働きを高めることで、

・食欲を抑える
・満腹感を持続させる
・脂肪の分解や代謝を促す

といった効果を発揮します。

そのため、ゼップバウンドは無理な食事制限をしなくても、自然に食事量が減り、体重を減らしやすくなる治療として注目されています。

ゼップバウンド使用について

ゼップバウンドは医療用の肥満治療薬であり、当院ではすべて自費診療となります。

使用にあたっては、医師の診察と採血検査を行い、体調や生活習慣に合わせて治療を進めていきます。

【頻度が比較的高めの副作用】

・吐き気（悪心）・嘔吐
開始時や増量時に特に出やすく、しばらくする改善することが多いです。
「何となく気持ち悪い」「胃がムカムカする」「食後に気分が悪い」といった症状として現れることがあります

・下痢
水様あるいは柔らかめの便が続いたり、回数が増えたりすることがあります。

・便秘
消化器症状の中で比較的出る頻度ですが、上の2つに比べるとやや低めで約 8～9 %前後という報告もあります。排便回数が減る、便が硬く出にくい、という変化が出ることがあります。

・腹部不快感・腹痛・胃もたれ・消化不良（胃部不快／消化器ガス／げっぷ）
食事後に満腹感を感じやすい、胃がもたれる感じがするなどの症状として現れます。

・食欲減退
体重低下作用を持つ薬であるため、「あまりお腹が空かない」「以前より食べる量が自然に減った」という報告があります。臨床試験では「食欲低下」が頻度の高い副作用項目として挙がっています。ただし、本来この薬の目的の一部とも言える作用であるため、「副作用」というより「薬理作用の表れ」と捉えられることもあります。

・注射部位反応（発赤・かゆみ・腫れ）
注射薬であるため、皮下注射部位に「赤くなった」「かゆみが出た」「少し腫れた・痛みを感じた」という反応が出ることがあります。