稗粒腫(ひりゅうしゅ)

稗粒腫(ひりゅうしゅ)

1. 稗粒腫とは

稗粒腫(ひりゅうしゅ/はいりゅうしゅ)は、直径1〜2mm程度の白または黄色っぽい小さな丘疹(ぶつぶつ)で、皮膚の浅い部分に角質(ケラチン)がたまってできる良性の嚢胞です。
以下のような特徴があります。

特徴内容
白〜黄白色の小さな粒
大きさ1〜2mm程度
触感硬く、表面は滑らか
痛み基本的に無痛・無症状
炎症通常はなし(赤く腫れない)
自然治癒一部は自然に消えるが、ほとんどは残る

2. 原因

  • 角質(ケラチン)の異常な蓄積
    毛穴や汗腺の出口に角質がたまり、皮膚の中に閉じ込められることで生じます。
  • 皮膚の損傷後(瘢痕性)
    やけど、ピーリング、レーザー治療などの皮膚ダメージが原因で発生することがあります。
  • 新生児の稗粒腫(生理的なもの)
    新生児ではよく見られ、生後数週間で自然に消えます。

3. 発生しやすい部位

  • まぶた(特に下まぶた)
  • 鼻のまわり

4. 治療方法

自然に消える場合もありますが、長く残ることが多く、美容目的での除去を希望する方も多いです。

針・ランセットを使った摘除

《手順》
処置部位をアルコールなどで清潔にし、針やランセットで表皮をわずかに切って穴を開けます(0.5mm程度)。滅菌綿棒などで中の角質を丁寧に押し出します。処置後は消毒し、必要に応じて抗生物質入り軟膏を塗布します。

《所要時間》
1個につき1〜2分程度で、複数個でも10〜15分程度で終わります。 ※機能的・医学的な理由があれば保険適応となります。

CO2レーザーを使った摘除

基本的には針を使った摘除と同じですが、穴をあける際にCO2レーザーを用います。非常に小さい傷から中の角質を押し出すため、傷が残りにくいという特徴があります。

《所要時間》
1個につき1〜2分程度で、複数個でも10〜15分程度で終わります。 痛みが心配な場合は麻酔も併用できます。

5. 自分で摘除するリスク

稗粒腫は「小さいから自分で取れそう」と思われがちですが、以下のリスクがあります。

  • 感染:滅菌されていない針などを使うと細菌感染のリスクが高い
  • 傷跡:無理に押し出すと、クレーター状の跡や色素沈着が残ることも
  • 再発:内容物だけ出しても、袋状の構造が残ると再発する可能性あり
  • 出血:まぶたなどは特に出血しやすい部位

※市販のニキビ用針やピンセットでは不衛生になりやすいため、使用は控えてください。

6. 日常のケアと予防

  • 手洗い:目元を触る前後に手を洗うことで、感染のリスクを減らします。
  • メイク道具の衛生管理:アイメイク道具やコンタクトレンズのケースなどを清潔に保つことが重要です。
  • 皮膚の保湿:乾燥を防ぐことで、皮膚の健康を保ちます。

稗粒腫や汗管腫、脂腺増殖症などは、どんどん増えてくることも多いです。当院では保険診療に加えて自費診療も可能であり、CO2レーザーを用いた除去も提案可能です。ぜひお気軽にご相談くださいませ。